更年期障害
来院される患者さんから「私、更年期でしょうか?」との訴えをよく耳にします。更年期とはどんな病気なのでしょうか?
従来より更年期とは、女性の成熟期から閉経期を経て老年期へと移行していく時期とされ、卵巣機能の低下、ホルモン分泌の減少、性器の萎縮、月経不順などが起こります。
それに伴って引き起こされると言われているのが、動悸、のぼせ、発汗、 不眠、肩こり、精神不安定、頭痛・・・など、自律神経の失調した状態が現われやすいとされています。
若年者や男性にも認められることから、昨今では男の更年期と言う言葉も耳にします。
そして、「更年期だから仕方がないわ。時期が過ぎれば治るから我慢しなくっちゃ。」と思われる方が非常に多く、とても危険なことです。
これら一つ一つの自律神経失調の症状は、他の病気が原因で誘発されることもあります。あるいは病気の前兆であり、重大な疾患につながる場合などが少なくありません。
聞きなれた「更年期」という言葉に安心していると落とし穴に陥ることにもなりかねません。
先ほどのいわゆる「自律神経失調の症状」には、次のような病気が隠れている可能性があります。
◯動悸-心臓の動脈硬化・胸部の慢性痛・平衡感覚失調
◯のぼせ-咽頭炎・蓄膿症・鼻炎・内耳炎・高血圧
◯発汗-心臓疾患
◯不眠-背部の痛み・平衡失調
◯肩こり-咽頭炎・気管支炎
◯精神不安-平衡失調・頭痛
◯頭痛-鼻炎・咽頭炎・口腔内の慢性炎症
一つ一つの症状の根っこを探りあて、治療し、不快な症状を取り除きましょう。