パニック障害・うつ病
パニック障害や、うつ病に苦しむ方に多く出会います。その症状は様々ですが、言うに言えないつらさ、焦燥感、不安感にかられていることでしょう。
苦しさは精神的な症状だけでなく、耳鳴りやめまいとして現れることもあります。
また食欲不振、無気力、体のあちこちが痛むという方も珍しくありません。
1)身体から考える
こころの病い、と一口に言われますが、こころが宿る場所は脳にほかなりません。脳へのストレスをとりのぞくことが、治療の第一歩になります。では、脳へのストレスとは何か?
サンリ治療院が注目しているのは、平衡感覚・聴覚の失調です。
たとえば内耳にある「前庭」と呼ばれる場所にちょっとした不都合があるとします。大きなめまい発作は出なくとも、左右の耳から入力される平衡感覚の情報が乱れ、脳は混乱します。耳鳴りや、耳閉感なども、あなどれません。
脳の混乱
↓
自律神経系が動揺し
↓
動悸・のぼせ・発汗・不眠・精神不安定・血圧のみだれ・・・
などの症状が引き起こされます。
「私だけ、どうして・・・?」
とパニック症状や、うつに苦しむことにつながりかねません。
①原因がわかりにくい自律神経失調や、つよい頭痛などは、精神不安定をひきおこします。
②めまいによって吐き気が催されるように、顔面まわりの三叉神経支配領域のつらさは、脳のパニックの一因になります。
したがって、耳の周囲をはじめ、お顔まわりの状態の改善が先決です。精神的(メンタル)な苦しさが生じる土台に身体があるのです。
2)心から考える
この10年ほどの間に「うつ病」という言葉はずいぶん広がりを見せました。
サンリ院長の私も人間を45年以上やってきて、人並みの幸せや不幸をくぐって来たように思います。
時に得意になったり、逆に自分の限界に打ちのめされたり・・・
そういった自分自身の経験や患者さんとの出会いで学んだことの一つは、
「人間は意外にもろい存在である」
ということです。
例えば精神的ストレス、嫌な人間関係も「いついつまでには終わる」という期限があれば案外やりすごせることもあるでしょう。
ヘロヘロになるまで仕事をしていても、納期が過ぎればパーッと解放される、そう決まっていたら頑張ることもできます。
しかし、「このつらさに終わりはあるのだろうか?」と思うと絶望感に飲み込まれてしまいかねません。
今のストレス状況が、自分の努力で変えられるのか?
変えられないとしたら、いつまで耐えればいいのか?
そもそも耐えられるだろうか?
こういった点が大事になってくるでしょう。
考える際の参考になるのが実は身体症状かも知れません。
人は心のみにて病むものでは無いでしょう。
きっと体が悲鳴を上げているはずです。
鍼灸治療はお体を拝見すると共に、比較的ゆっくり会話を交わす治療法です。今の自分をとりまく状況がどのようなものか、話すことで整理されることもあるでしょう。
また、体の発しているシグナルを私がキャッチし、アドバイスすることも可能です。
そして、症状が一つずつ改善するにともない、心身の元気が充実してきます。その時、「もろい存在」の人間が、「病気から回復する強靭さ」を持っていることに気づかされます。
元気になり職場復帰されたり、家族、友人と良い関係を築き直していく患者さんの姿に感動を覚えます。
その回復の道を共に歩みたいと願っています。